頭部外傷
頭部外傷とは
頭部外傷とは、外力が頭部の軟部組織、頭蓋骨、頭蓋内に損傷を与えることを指します。
軽い打撲から命に関わる大出血まで、外力の程度により病態や予後は大きく異なります。
外力が大きいほど損傷も大きくなりがちですが、軽い打撲と思い込んで見た目に異常がなくても、時間が経つと重大な脳損傷が現れることがあります。
受診の目安
脳や神経の異常が疑われるケース
脳や神経の異常が疑われるケース
- 強い衝撃
- 頭痛が続く
- 嘔吐を繰り返す
- ぐったりしている、ぼんやりしている、ふらふらしている
- けがの前後の記憶が曖昧
- 言葉や会話に異常がある
- 手足の動きに異常がある
- けいれん・ひきつけを起こした
頭部への強い衝撃や、打ち方が軽くてもその後の様子がいつもと違う場合、頭の中に異常がある可能性があります。
特に小さな子供は症状を訴えにくいので、「いつもと違う」、「機嫌が悪い」と感じたら受診してください。
キズの手当てが必要なケース
- 頭皮が裂けている
- キズからの出血が止まらない
頭皮は血流が豊富なため、簡単な圧迫で止まらない場合、医療的な処置が必要です。
裂けている場合は、止血や細菌感染予防、早期治癒のために縫合が必要です。
顔面の骨折が疑われるケース
- 目の周りや頬がひどく腫れている
- 物が二重に見える
- 鼻が変形している
- 鼻血があった
- さらさらした液体が鼻から出る
- 激しい打撲を受けた
顔面の骨折は緊急性は低いですが、状態次第では準緊急で手術が必要になることもあります。
心配な場合は早めに確認しましょう。
頭部外傷に対する検査
MRI検査
脳の小さな出血や傷の検出に優れており、頭部打撲直後や暫くして症状が残っている場合に適しています。
造影剤を使用せずに脳血管の病変も把握できます。
また、頚椎損傷が疑われる場合の精密検査としても最適です。
ただし、10~30分程度(撮影部位により異なります)じっとしている必要があり、未就学児、認知症の高齢者、閉所恐怖症の方には不向きです。
早めの受診をお願いいたします
脳は頭蓋骨に守られているため、軽い打撲ではたんこぶができるだけで自然に治ることが多いです。
しかし、何に頭を打ち付けたか、その衝撃の程度によっては脳内部にダメージが残ることもあります。
これを放置すると重大な症状に繋がる恐れがあります。
歩行時にバランス感覚に違和感がある場合など、何か気になることがあれば早期の受診をおすすめします。