小児頭痛と周期性嘔吐症について

お子さんにこんな症状ありませんか

原因

アセトンの過剰生成

周期性嘔吐症の主な原因は、血液中のアセトン（ケトン体の一種）の濃度が異常に高まることにあります。
通常、体内の糖（主にグルコース）が不足すると、体はエネルギー源として脂肪を分解します。
この脂肪分解の過程でアセトンが生成されます。
アセトンは通常、エネルギーとして使用されますが、その量が過剰になると中毒症状を引き起こし、結果として激しい嘔吐を引き起こすことがあります。

神経質な性格の子どもや、偏頭痛を持つ子どもが周期性嘔吐症にかかりやすいとされています。
これは、ストレスや緊張が体内の化学的バランスに影響を与え、嘔吐を誘発する可能性があるためです。

遺伝的要因

周期性嘔吐症には遺伝的な側面があることが指摘されています。
家族歴にこの症状を持つ人がいる場合、子どもが同じ症状を発症するリスクが高まることがあります。

小児頭痛・周期性嘔吐症の治療

対症療法

周期性嘔吐症には根本的な治療法がないため、症状を抑える対症療法が行われます。
嘔吐する前に吐き気や頭痛、腹痛などの症状が現れることが多いため、その段階で吐き気止めや痛み止めの薬を服用し、糖分を補給することで大きな発作を防ぐことが可能です。

症状が重い場合

症状が重くなり、薬や水分を摂っても吐き出してしまい脱水症状を起こしている場合は、点滴で水分や糖分を補給します。
症状が改善してきたら、こまめに少量ずつ水分を摂り、スポーツドリンクなどで糖分を補うことで、数日のうちに症状が落ち着くことが多いです。

症状がない場合

症状がないときには、予防目的でてんかんや頭痛の薬を服用することもありますが、特に治療を行わない場合も多いです。
ただし、発作を防ぐためにこまめに糖分を補給したり、夕食を抜かないなど、食事や生活リズムに気をつけることが重要です。