こどもの頭痛
こどもの頭痛の特徴(幼児期・思春期)
幼児期から小学校低学年
この時期に最も一般的なのは片頭痛です。
一般的な偏頭痛は、睡眠で改善されるため、学校を欠席することは少ないです。
片頭痛の誘因としては、睡眠不足、強い光、特定の食品(チーズやチョコレートなど)が挙げられます。
痛みが強い場合は、かかりつけ医の診察を受け、適切な薬を処方してもらうことが重要です。
また、幼稚園や学校にお子さんの状態を伝え、必要な対応を共有しておくと良いでしょう。
思春期
思春期にも片頭痛は一般的です。
特に女子では月経に関連した片頭痛が見られることがあり、痛みが長引くことが特徴です。
また、この時期には慢性連日性頭痛が増え、心理社会的要因が大きく影響しています。
中学入学後の社会的プレッシャーや学業のストレス、人間関係の変化が関連していることが多いです。
中学受験後の疲れやストレスが原因で、中学年の夏休み明けに頭痛が始まることが一般的です。
こどもの頭痛のタイプと症状
片頭痛
子どもの片頭痛は、痛みが2時間から72時間続くことが特徴です。
多くの場合、頭の前面から側面にかけて両側がズキンズキンと脈打つような痛みを感じます。
この痛みは吐き気や嘔吐を伴うことがあり、光や音に敏感になることもあります。
活動をすると痛みが悪化することも一般的です。
また、片頭痛には視界がぼやけたり、きらめくような光が見える前兆があることもあります。
親が片頭痛を持っている場合、子どもにも発生する確率が高まります。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、発作的な痛みではなく、長時間にわたって持続する軽度から中等度の痛みが特徴です。
このタイプの頭痛は、頭全体が締め付けられるような感覚や重さを感じることが多く、痛みの始まりと終わりがはっきりしないことが一般的です。
日常生活には大きく影響しないことが多いですが、ストレスや肩こり、眼精疲労が原因で発生することもあります。
二次性頭痛
二次性頭痛は、他の疾患が原因で発生する頭痛です。
風邪やインフルエンザ、副鼻腔炎、虫歯などが原因で頭痛が起こることがあります。
また、脳腫瘍や脳出血、水頭症、髄膜炎など、重症度が高く急を要する治療が必要な病状が原因であることもあります。
頭痛の他に神経学的症状や意識障害が伴う場合や、一般的な鎮痛薬で痛みが和らがない場合は、速やかに病院を受診することが推奨されます。
こどもが頭痛の時にするサイン
- 疲れているように見える
- 気分が変わりやすい
- あくびをよくしている
- 集中力がない
- 顔色が悪い
など
お子さんの頭痛について保護者の方へ
子どもの頭痛と向き合う方法
平日の朝に頭痛を訴える子どもは学校を欠席しがちですが、長期間の欠席は学業遅れや留年のリスクを増加させるため、保護者の皆さんは大きな悩みを抱えています。
このような頭痛は心のケアが重要であり、治療には時間がかかることが一般的です。
そのため、子どもに寄り添い、共に頭痛と付き合いながら解決策を探す長い目で見る姿勢が求められます。
子ども自身の成長が、この問題を乗り越える鍵になります。
病院受診の目安
頭痛が月に2度程度で日常生活に支障がない場合は、自宅で様子を見ても問題ありません。
しかし、頭痛の頻度が増え、学校を休むほどの影響が出たり、寝込むほどの症状が見られる場合は、病院での診察が推奨されます。
毎日のように頭痛や嘔吐があり、ふらつきや手足の動きに困難が生じる、物が二重に見えるなどの症状が進行している場合には、速やかに医療機関を受診してください。